ぐる式 (貳) より引っ越し作業中.未完.

2007年9月11日火曜日

Air 劇場版

「翼持つものは人に非ず.世を惑わす悪霊魔神の類い」 © 櫻 (作倉? 佐久良?) 御殿警護方.まぁ,灰羽か天使かですからな〜.

劇場版AIR 公式サイト劇場版 AIR, 2005 年.

なんか全然顔が違うと思ったら,制作は 東映アニメーション,なるほど,あの Kanon -初代- を作ったとこか〜.終わりに 5 分ほど 劇場版 CLANNAD -クラナド-劇場版 CLANNAD −クラナド− OFFICIAL SITE の宣伝.今回の放映目的はコレですか.

TV 版 () の方はいわゆる現代と千年前とがきっちり別れてたと思うけど,こちらはたびたび混交するので,割とせせこましい感じがする.時間的な容量としてはテレビ版四話弱しかないので,登場人物は国崎往人,神尾観鈴.神尾晴子 (もちろんこちらがメイン) と神奈備命,柳也,裏葉の二セット以外は霧島聖先生と八百比丘尼ぐらい.霧島佳乃,遠野美凪,みちる,ポテトは出ては来るが背景も同然で台詞すらなし.上記二セットのノードを繋ぐ千年のアークというのは健在なれど輪廻の蛇的側面はあまり表に出て来ず..観鈴側の時代設定はいつか判らん.ただ,列車が通っている.あれ,確かこれって 廃線 だったはずじゃ.ということは, 1) 同じ場所で展開されるのなら,テレビ版の時代よりも遡るということですな.むしろ, 2) テレビ版とは全然異なる時代異なる場所での国崎往人,神尾観鈴.神尾晴子というコレクション・ノードにした方が面白いか (笑).劇場版観鈴ちんが死ぬときに往人は眼に見えぬ羽音を聞いている.次の観鈴ちんを探しに行ったんでしょうな〜.というのが一つ.国崎往人に相当するものは,外に出て行ったまま帰って来ないもの= (元の世界にとっては) 未帰還者= (外の世界にとっては) 闖入者,部外者,よそ者.往人の母親は息子に妙な観念を吹き込んでいるが,うん,確かに柳也と同程度の能力ではあるわな.

神奈備命って,あて人の娘じゃなくて囚人だったのね.だから付き人は裏葉だけで,姥も媼もおりやせぬ.居室は女部屋じゃないから柳也も出入りができる……のか? ただ,その扱いは母親の八百比丘尼と比べると雲泥の差があるな〜.

  1. 超越の弁証法.
  2. 現行種に滅ぼされた袋小路としての翼人属 (その数少ない生き残りは寄生体としての翼手に変貌したとか) はっ! 「どろり濃厚ジュース」って,血のメタファなのかっ! (笑)
  3. 耶蘇教迫害史.
  4. 核の拡大と抑止.
  5. 国崎往人は巻き込まれたのか,知らずして巻き込んだのか.誰が主体か.または,何が主体か.
  6. 最終回じゃないけど, ヒロインが吐いた

まぁ〜,どうでもエエか (笑).

重層夢

長い渚を歩いて行く.郎女の髪は,左から右から吹く風に,あちらへ靡き,こちらへ乱れする.浪はたゞ,足もとに寄せてゐる.渚と思うたのは,海の中道である.浪は,両方から打つて来る.どこまでも〳〵,海の道は続く.郎女の足は,砂を踏んでゐる.その砂すらも,段々水に掩はれて来る.砂を踏む.踏むと思うて居る中に,ふと其が,白々とした照る玉だ,と気がつく.姫は身を屈めて,白玉を拾う.拾うても〳〵,玉は皆,掌に置くと,粉の如く砕けて,吹きつける風に散る.其でも,玉を拾い続ける.玉は水隠れて,見えぬ様になつて行く.姫は悲しさに,もろ手を以て掬はうとする.掬んでも〳〵,水のやうに,手股から流れ去る白玉——.玉が再,砂の上につぶ〴〵並んで見える.忙しく拾はうとする姫の俯いた背を越して,流れる浪が,泡立つてとほる.

姫は——やつと,白玉を取りあげた.輝く,大きな玉.さう思うた刹那,郎女の身は,大浪にうち仆される.浪に漂ふ身……衣もなく,裳もない.抱き持つた等親の白玉と一つに,水の上に照り輝く現し身.

ずん〴〵と,さがつて行く.水底に水漬く白玉なる郎女の身は,やがて又,一幹の白い珊瑚の樹である.脚を根,手を枝とした水底の木.頭に生ひ靡くのは,玉藻であつた.玉藻が,深海のうねりのまゝに,揺れて居る.やがて,水底にさし入る月の光り——.ほつと息をついた.

まるで,潜きする海女が二十尋・三十尋の水底から浮び上がつて嘯く様に,深い息の音で,自身明らかに目が覚めた.

[ 折口信夫 "死者の書・身毒丸", 中公文庫, 1974, 1999, 2006, ISBN4-12-203442-6, pp. 107-109. より ]

無理矢理要約したらこんな感じか知らん.

法喜鳥

ほゝき鳥は,先の世で,御経手写の願を立てながら,え果さいで,死にでもした,いとしい女子がなつたのではなからうか.……さう思へば,若しや今,千部に満たずにしまうやふなことがあつたら,我が魂は何になることやら.やつぱり,鳥か,虫にでも生まれて,切なく鳴き続けることであらう.

[ "ibid", p. 95. より ]

これを逆順に手繰って行くとか.

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